不具合対応

#02「マグネットコンタクター欠相により“夜間故障呼び出しされた”話」

#02「マグネットコンタクター欠相により“夜間故障呼び出しされた”話」

とある日、会社での勤務を終え、家でくつろいでいると会社から一本の電話がかかってきました。

「ブルブルさん、故障呼び出しです。」

設備保全を担当している方であれば、
夜間や休日の故障呼び出しを一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

正直なところ、帰宅後の呼び出しはあまり気の乗らないものですよね……。

今回の呼び出し内容は、
「夜間に点灯するはずの照明が、一部点灯していない」とのことでした。

現地へ向かう車内で、頭の中ではいくつかの原因を想定していました。

  • ① 照明回路の地絡

  • ② MCBのトリップ

  • ③ CDS装置の不良

もしくは、まったく想定していなかった箇所の故障かもしれません。

会社に到着後、現場へ移動し、まずは実際に一部の照明が点灯していないことを確認しました。

次に分電盤の調査を行い、

  • MCBがトリップしていないか

  • 焼損や異臭はないか

  • 漏電表示は出ていないか

    といった点を確認しましたが、外観上は特に異常は見られませんでした。

そこでテスターを用いて、
電気室から現地盤までのMCB一次側電圧を測定すると、定格電圧を確認。

「ここまでは問題なさそうだな……」

そう思いながらMCBの下流を見ると、
その先には””マグネットコンタクター(MC)””が設置されていました。

試しに、マグネットコンタクターの二次側にテスターを当てると……電圧なし

↑マグネットコンタクター2次側電圧0V

「え?」と思い、今度は一次側を測定すると、こちらはしっかりと規定電圧が来ています。

↑マグネットコンタクター1次側電圧257V

この時点で、原因ははっきりしました。

マグネットコンタクターの欠相です。

ここでようやく、今回のトラブルの核心にたどり着いたわけです。

マグネットコンタクターとは?

一応、知らない方向けに説明しますと、**マグネットコンタクター(Magnetic Contactor)**とは、
電磁石の力を使って大きな電流を安全にON/OFFするための開閉器です。

主に次のような用途で使われます。

  • モーターの運転・停止

  • 照明回路の一括制御

  • ポンプ・ファン・空調機器の制御

  • 制御盤内での主回路開閉

現場では
👉 「マグネットスイッチ」
👉 「MC」
と呼ばれることがほとんどですね。

仕組み

マグネットコンタクターは、主に次の3つで構成されています。

① 電磁コイル(操作回路)

  • 操作電源(AC100V、200V、DCなど)を印加すると磁力が発生

  • 鉄心を引き寄せる

② 主接点(主回路)

  • 大電流が流れる部分

  • コイルが励磁すると接点が閉じ、負荷に電源が供給される

③ 補助接点

  • 制御用(自己保持・表示灯・インターロックなど)

  • 主回路とは別に使われる

👉 小さな操作電流で、大きな電力を安全に制御できる
これが最大の特徴です。


ブレーカーとの違いは?

項目 マグネットコンタクター ブレーカー
主な役割 開閉・制御 過電流・短絡保護
遠隔操作 可能 基本不可
保護機能 なし あり
消耗 接点が消耗する 比較的少ない

👉 MCは「守る装置」ではなく「動かす装置」
👉 保護はブレーカーやサーマルに任せる

当日の復旧方法

当日の夜間対応では、あいにく予備のマグネットコンタクターの在庫がありませんでした

盤内を確認したところ、
マグネットコンタクターのT相端子部で欠相が発生していることを確認しました。

そのため、応急処置として欠相していた T相に接続されている配線を、健全なS相側へ振り替えて動作が可能な状態として仮復旧にしました。

あくまで一時的な対応であり、恒久対策ではないため、後日あらためて新品のマグネットコンタクターを手配し、マグネットコンタクター本体を交換して、本復旧としました。

メーカーが示すマグネットコンタクターの寿命目安

マグネットコンタクターの寿命について、各メーカーはカタログや技術資料の中で「電気的寿命」と「機械的寿命」という2つの要因があるようです。

電気的寿命

  • 定格負荷で開閉を行った場合の寿命

  • 一般的には 数十万回〜数百万回程度

  • 負荷の種類(モータ・照明・抵抗負荷)や通電電流によって大きく変わる

特にモータ負荷の場合は、投入時の突入電流や開閉時のアークにより、接点の消耗が早く進む傾向があります。

機械的寿命

  • 無負荷で開閉を繰り返した場合の寿命

  • 一般的には 数百万回〜数千万回程度

  • コイルや可動部の機械的な耐久性を示す指標

実際の現場で主な壊れる要因として一般的なのは「電気的寿命」のようです。

本日はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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