#03 受配電設備での「最後の砦」PASとは?SOGとは?
みなさんの保守管理されている事業所は高圧受電されてますでしょうか?
高圧受電されていましたら、恐らく1号柱(電力会社から受電する1発目の電柱)にPASが設置されていると思います。
PASとは?


↑上の写真の1番上に見える灰色の箱がPAS(高圧気中開閉器)といいます。
ちなみにその下段に付いている同じ様な形状の灰色の箱はMOF(計器用変成器)とかVCTとかって呼ばれるものになり用途が違います。
PASとMOFの違い
PAS...構内電気設備で高圧電気事故「地絡・過電流」を検知した際に接点を開放し電力系統から分離させる。
MOF...電力会社が電力メーターを運用する為に、6600Vの電圧を110Vに降圧する為の変圧器のこと。電力会社の所有物。
PASの主な目的は、上記でも説明しましたように構内の電気設備で高圧電気事故である「地絡・過電流」を検出した際に電力会社の電力系統と需要家の電気設備を分離させる目的があります。
なぜ高圧電気事故が発生した際に電力系統から分離しなければならないのかと言うと、他の需要家にも影響が出てしまうからです。
下記のイラストのように変電所から3つの需要家に電力を供給しているケースで考えてみます。
ある時、PASを未設置の自社工場で受電短絡が発生したとします。

事故電流遮断の為、変電所側のCBが開放します。
すると、付近にある「工場A」と「工場B」も電力供給が出来ない為に停電します。

通常、電力会社は停電が発生した場合に約1分後に再度、CBを投入して送電を試みます。これを「再閉路」と言います。

しかし、事故点である自社工場を電力系統から切り離せていない為、再度、変電所側CBが開放してしまい再閉路に失敗してしまいました。これを「波及事故」と言います。
次にPASを設置してある場合です。

PASがSO動作にて過電流ロックし、電力系統側の無電圧を確認した後PASを開放させます。
変電所は1分後に再閉路を実施し、事故点である”自社工場”をPASによって切り離せているために「再閉路成功」します。
このように、波及事故を発生させない為にPASは必要なのです。
PASの設置有無によって社会的責任も左右してしまいます。その為、PASは「責任分界点」と呼ばれたりします。
SOGとは?
次にSOGについてです。
基本的には1号柱の電力メーターが取り付けられている付近に設置されていると思います。
鉄箱やプラスチックの収容箱内に存在します。
見た目としては下記写真のような物です。

↑戸上電機製作所のSOG
SO動作とGR動作
SOGにはその名の通り、「SO動作とGR動作」が存在します。
それぞれについて簡単に説明します。
まず、「SO動作」とはStorage Over Current動作の略で受電盤内での短絡事故を検出した際に動作することです。
PASは遮断器とは違ってただの開閉器の為、負荷電流を遮断する能力が無く短絡電流を遮断しようとするとPASが燃えちゃいます。
その為、先ほどのイラスト説明にもあったようにSOGがPASに「過電流ロック」をするように指示し、最寄りの変電所のCBにて事故電流を遮断します。
すると、SOGが電力系統側の無電圧を確認し、PASに「今なら開放できるから!開放して!」と指示します。
そして電力会社の再送電により付近の需要家には電力が再度供給される訳です。
次に、「GR動作」とはGround Relay動作の略で地絡事故を検出した際に動作することです。
地絡に関してはPASを開放させることが出来る為、地絡検出すると即座にPASを開放させます。
これら2つを合わせて、”SOG”と言います。
基本的には、高圧受電を実施している需要家であればついている所がほとんどですが、関西の一部地域では設置されていない場所もあるようです。
この様な受電形態を「出迎え受電」と言うそうです。私は遭遇した事ありませんが...
本日は以上です。最後まで見て頂きありがとうございました。