#04 引込柱周辺の樹木伐採をした話
年次点検をしていると、電気設備そのものだけでなく、「設備の周辺環境」にも目を向ける場面があります。
今回紹介するのは、引込柱の周辺に生えていた樹木が、高圧線に近接していたケースです。
山周辺の需要家では引込柱周りに樹木が乱立していることがあります。
引込柱に樹木が近接していた場合、早期に対処しなければ最悪の場合、高圧ケーブルが地絡や相間短絡を起こしてしまう恐れがあります。
最近、年次点検を実施した場所でPASの1次側(電力会社側)の高圧ケーブルが樹木に近接しているのを目撃しました。

↑ 年次点検で引込柱に昇柱した際に電力側の高圧ケーブルを目で追っていくと樹木が近接していました。
これの何が問題なのかと言うと、樹木が高圧ケーブルに接触し風で揺ら揺らすると、そこの部分が擦れてしまい被覆が傷つき「地絡」してしまう可能性があります。
電力側の高圧ケーブルが地絡した場合は、直近の電力ASを開放する必要があり周辺の需要家に電力供給が出来ず、迷惑をかけてしまう恐れもあります。
なお、PASの1次側(電力会社側)で地絡が発生して停電した場合は電力側の責任となりますので”波及事故”にはなりませんが、安定した電力供給を需要家敷地内の樹木が原因で阻害してしまうのはナンセンスですよね。。。
当日の対応方法
先ほどの話をまとめると下記の通りです。
● 樹木は 需要家敷地内から生えており、 伐採自体は弊社対応となる案件
- 高圧ケーブルは電力会社のものであり活線中である為、保護カバーをかけてもらう必要がある。
まずはその場で電力会社へ連絡を行い、状況を説明しました。
すると当日中に、電力会社のグループ会社の方が現地確認に来てくれることに。
現地を一緒に確認した結果、
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「確かに近接している」
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「伐採前に保護カバーを設置しましょう」
という判断になりました。
当日の対応は以上で、後日、保護カバーを取り付けて頂くことになりました。
余談ですが、この保護カバーがどうやら2種類あるらしく、黒色の樹木用?保護カバーは無償で対応してくれるとのこと。
一方、街でよく見る、黄色の高圧活線作業用?保護カバーは有償になるとの事でした。
今回は、無償の黒色保護カバーを取り付けて頂くことにしました。
後日、保護カバー設置 → 伐採実施
後日、電力会社側から 保護カバー設置完了の連絡がありました。
安全対策が整ったことを確認したうえで、ハンディチェーンソーを使用し、周囲の安全を確認しながら慎重に伐採し無事、作業を完了することができました。

↑ 伐採前の写真です。大きな樹木が高圧ケーブルに近接しています。見えずらいですが、黒色の保護カバーが取り付けられています。

↑ 伐採後の写真です。安全に樹木を伐採する事が出来ました。ちなみに左からチョコンと飛び出ている樹木もこの後伐採しました。
今回の件で感じたこと
今回の対応で強く感じたのは、
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早めに気づくこと
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自己判断せず、必ず電力会社と連携すること
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設備だけでなく周辺環境も点検対象に含めること
この3点の重要性でした。
引込柱や高圧線周辺の樹木は、つい「後回し」にされがちですが、放置すれば重大事故につながる可能性を秘めています。
年次点検の際は、設備+その周囲環境まで含めて確認することが、保安業務として非常に大切だと、今回改めて感じました。
同じような状況に遭遇した方の参考になれば幸いです。
本日は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。